【個人向け】後継者のいない会社を買う方法・メリット・注意点
「自分の力で事業を動かしてみたい」「いつかは経営者になりたい」と考えたことはありませんか?
実は今、会社員などの個人が、後継者のいない会社を買い取って経営者になる「個人M&A」が新たなキャリアの選択肢として注目されています。
本記事は、後継者不在の会社を個人で買収することに興味を持つ方に向けて、「本当に個人でも買えるの?」「どうやって?」「いくら必要?」といった具体的な疑問を解消することを目指します。
メリットだけでなく、見落としがちなリスク、特に「買収後の運転資金」や「必要な時間」といったリアルな情報まで踏み込んで解説します。
–この記事を書いた人–
ラッコM&Aカスタマーサポート
累計成約数5,000件以上のオンライン事業売買プラットフォーム・ラッコM&A
を運営。
ラッコM&A上でのマイクロM&A・スモールM&A成約実績をもとに当記事を執筆します。
成約数No.1(2024年)
オンライン事業を売買するならラッコM&A
メディア(WEBサイト/ブログ/YouTube/Insta)・EC(ECサイト/Amazon)・WEBサービス/アプリ
システムサポート万全で個人でも安心取引!(個人利用率実績: 売主86%・買主62%)
目次
後継者のいない会社を個人が買うのは可能?増える個人M&Aの現状
個人でも後継者のいない会社を買うことは十分に可能です。
ひと昔前までM&A(企業の合併・買収)は大企業のものでしたが、今は個人が主役となる「スモールM&A」や「個人M&A」の市場が急速に拡大しています。
個人による事業承継M&Aが増えている背景
この背景には、深刻な社会問題である「後継者不足」があります。中小企業庁の統計によると、多くの中小企業が経営者の高齢化に直面しており、優良な事業や技術を持ちながらも、後継者が見つからずに廃業の危機に瀕しています。
帝国データバンクの「全国企業「後継者不在率」動向調査(2024年)」によれば、2024年の後継者不在率は52.1%と過去最低を記録したものの、依然として半数以上の企業で後継者が決まっていないのが現状です。
こうした状況の中、「サラリーマンが300万円で小さな会社を買いなさい」といった書籍が話題となり、これまでM&Aとは無縁だった個人にとって、事業承継が身近な選択肢として認識され始めました。事業を続けたいと願う経営者と、経営者になりたいと願う個人を繋ぐことで、新たな価値を生み出す動きが活発化しているのです。
後継者不足が深刻な業種とM&Aのチャンス
特に後継者不足が深刻な業種は、個人M&Aのチャンスが眠っている市場と言えます。同調査によると、業種別で後継者不在率が最も高いのは建設業(59.3%)、次いで小売業(56.8%)、サービス業(55.5%)となっています。
これらの業界は、地域社会に不可欠なサービスを提供しているにもかかわらず、担い手不足に悩んでいます。もしあなたがこれらの業界に知見があったり、強い関心を持っていたりするならば、大きなチャンスを掴めるかもしれません。
後継者のいない会社を個人が買う3つの大きなメリット
では、個人が後継者不在の会社を買うことには、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか。ゼロからの起業と比較しながら、3つの大きなメリットを解説します。
1. コストを抑えて経営者になれる
ゼロから起業する場合、事務所や店舗の契約金、内外装工事費、設備・備品の購入費、人材採用費など、莫大な初期投資(イニシャルコスト)がかかります。しかし、M&Aであれば、事業に必要な資産がすべて揃った状態でスタートできるため、これらの初期投資を大幅に抑えることが可能です。
2. 既存の経営資源や顧客を引き継げる
M&A最大のメリットは、目に見えない価値(無形資産)を引き継げることです。
- 事業ノウハウや技術
- 経験豊富な従業員
- 長年かけて築いてきた取引先との関係性
- 地域での知名度やブランド力
- 既存の顧客基盤
これらは、ゼロから立ち上げた場合、お金と時間をかけても手に入れられるとは限らない貴重な財産です。すでに顧客がいる状態で事業を始められるため、売上がゼロからのスタートになるリスクを避けられ、事業立ち上げの期間を劇的に短縮できます。
3. 社会貢献と地域経済への貢献
後継者が見つからなければ、その会社は廃業せざるを得ません。会社がなくなれば、長年利用してきた顧客や取引先は困り、従業員は職を失ってしまいます。
あなたが会社を引き継ぐことは、単にビジネスを始めるだけでなく、その会社の歴史や文化、そして関わる人々の生活を守ることに繋がります。これは、地域経済の維持に貢献する、非常に社会的意義の大きい行為と言えるでしょう。
個人M&Aで後悔しないために!知っておくべき注意点とリスク
魅力的なメリットがある一方で、個人M&Aには見落とせない注意点やリスクも存在します。安易な判断で後悔しないためにも、以下の点を必ず押さえておきましょう。
前経営者への依存度と関係悪化・離反のリスク
引き継いだ会社の事業が、前経営者の個人的なスキルや人脈に大きく依存しているケースは少なくありません。この場合、経営者が変わった途端に、「前の社長だから取引していた」という顧客や、「社長についていきたかった」という主要な従業員が離れてしまうリスクがあります。スムーズな引き継ぎ期間を設け、主要な取引先や従業員との関係性を丁寧に見極めることが重要です。
債務(借金)や未払い賃金などの引き継ぎリスク
M&Aで最も警戒すべきリスクの一つが、貸借対照表に載っていない「簿外債務」です。具体的には、以下のようなものが挙げられます。
- 未払いの残業代
- 未払いの社会保険料
- 将来支払うべき退職金(退職給付引当金)
- 他社の債務保証
- 訴訟リスク
これらの隠れた債務は、買収後に発覚すると経営を圧迫する大きな要因になります。このリスクを回避するために不可欠なのが、「デューデリジェンス(買収監査)」と呼ばれる専門家による調査です。公認会計士や弁護士に依頼し、会社の財務や法務状況を徹底的に調べてもらう必要があります。
簿外債務は会社の帳簿に現れない隠れたリスクです。
必ず専門家によるデューデリジェンスを実施し、財務・法務の両面からしっかりと調査することをおすすめします。
経営者としての相応の経歴・実績の必要性
従業員や取引先から「新しい経営者はどんな人だろう?」と不安の目で見られるのは当然のことです。彼らの信頼を早期に得るためには、買い手側にもある程度の経歴や実績が求められる場合があります。業界経験やマネジメント経験など、「この人になら会社を任せられる」と思わせる何かが、円滑な事業承継の鍵となります。
【重要】買収にかかる具体的な資金
「100万円で会社が買える」といった話を聞いたことがあるかもしれません。
しかし、これはあくまで会社の売買価格(株式譲渡価格)に過ぎません。M&Aを成功させるには、それ以外にも多くの資金が必要になるという現実を知っておく必要があります。
■M&A諸費用:
仲介会社への手数料やデューデリジェンス費用など、買収価格の数%~数十%が別途かかります。
■買収後の運転資金:
これが最も重要です。買収直後は、経営の引き継ぎや改善などで一時的に売上が不安定になる可能性があります。その間も、従業員の給与、家賃、仕入れ代金などの支払いは待ってくれません。
では、運転資金はいくら用意すればよいのでしょうか。一概には言えませんが、最低でも「月商の3ヶ月~6ヶ月分」が一つの目安とされています。
ビジネスモデルによって必要運転資金には大きな違いが出るため、自社にとって本当に必要な運転資金額(運転資本)を買収前にしっかり算定しましょう。
買収価格だけで判断せず、必ず「運転資金」を含めた総額で資金計画を立ててください。
買収価格だけでなく、その後の運転資金まで含めた資金計画が成功の鍵です。
月商の3~6ヶ月分の運転資金を確保しておくことで、買収後の経営を安定させることができます。
【重要】買収後の時間的・体力的負担の大きさ
資金と同様に、買収後の「時間」と「労力」の投下も覚悟しなければなりません。特に買収後の数ヶ月~1年は、事業の把握、前経営者からの引き継ぎ、従業員や取引先との関係構築、経営方針の策定など、やるべきことが山積みです。
「買収すれば、あとは従業員がうまくやってくれるだろう」という考えは非常に危険です。特に小規模な会社ほど、経営者がプレイングマネージャーとして現場の最前線に立つ必要があります。
副業感覚で取り組めるものではなく、フルタイムでの長期的なコミットメントが求められるケースがほとんどだと考えておきましょう。
後継者のいない会社を探す~買うまでの具体的な方法と流れ
それでは、実際に会社を買うにはどうすればよいのでしょうか。具体的なステップを解説します。
1. 買い手側の事前準備を徹底する
まずは自分自身の状況を整理することから始めます。
- 予算の明確化: 買収に使える自己資金はいくらか。M&A諸費用や運転資金、当面の生活費まで含めて考えましょう。
- 事業分野の検討: 自分の経験やスキル、興味・関心が活かせる業界・業種は何かを絞り込みます。
- 事業計画のイメージ: 買収後にどのような経営をしたいか、ぼんやりとでも良いのでビジョンを描いてみましょう。
2. 会社を探す主な方法
準備が整ったら、売り手となる会社を探します。主な方法は以下の通りです。
- M&Aマッチングサイト: オンライン上で多数の売り案件を閲覧できます。手軽に情報収集を始めたい方におすすめです。
- 事業引継ぎ支援センター: 国が設置する公的な相談窓口です。全国47都道府県に設置されており、無料で相談できる高い信頼性が魅力です。
- M&A仲介会社や専門家: M&Aの専門家が、案件探しから交渉、契約まで一貫してサポートしてくれます。手数料はかかりますが、専門的な知見をもとに安心して進めたい場合に適しています。多くの税理士事務所もM&Aの相談に乗っています。
- 金融機関: メインバンクに相談してみると、取引先の後継者問題に関する情報を持っている場合があります。
3. 買収交渉から成約までの一般的な流れ
理想の会社が見つかったら、交渉へと進みます。一般的な流れは以下の通りです。
-
情報収集・検討
- 興味のある案件を見つける。
-
秘密保持契約(NDA)の締結
- 詳細な情報を得るために、秘密を守る契約を結ぶ。
-
トップ面談
- 売り手と買い手の経営者同士が面談し、お互いのビジョンや人柄を確認する。
-
基本合意(LOI)の締結
- 買収価格やスケジュールなど、大枠の条件で合意する。
-
デューデリジェンス(買収監査)
- 専門家が財務・法務などのリスクを調査する。
-
最終条件交渉
- デューデリジェンスの結果を踏まえ、最終的な条件を交渉する。
-
最終契約(DA)の締結
- すべての条件に合意し、法的な効力を持つ契約を結ぶ。
-
クロージング
- 株式譲渡や対価の支払いを行い、経営権が買い手に移る。
個人が後継者不在の会社を成功させるためのポイント
会社を買うことはゴールではなく、スタートです。買収後の事業を成功させるために重要な3つのポイントを紹介します。
1. 前経営者や従業員との信頼関係構築
買収後、最も優先すべきは「人」との関係構築です。前経営者からは、事業のノウハウや暗黙知をスムーズに引き継ぐ必要があります。また、既存の従業員は会社の宝です。彼らの不安を取り除き、新しい経営方針を丁寧に説明し、一人ひとりと向き合うことで、早期に信頼を得ることが成功の絶対条件です。
2. 事業計画の策定と実行
引き継いだ事業を現状維持するだけでなく、どのように成長させていくのか。具体的なビジョンを示し、数値目標を含んだ事業計画を策定しましょう。そして、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、改善(Action)のPDCAサイクルを回し、状況に応じて柔軟に計画を修正していくことが重要です。
3. 外部の専門家との連携
経営は一人ではできません。特に個人の場合、すべての分野を一人でカバーするのは困難です。税理士、弁護士、社会保険労務士、M&Aアドバイザーといった外部の専門家と良好な関係を築き、いつでも相談できる体制を整えておきましょう。客観的なアドバイスが、経営判断の質を高めてくれます。
個人M&Aの成功には「人」との関係構築が最も重要です。
前経営者、従業員、取引先、そして専門家との信頼関係を築くことが、事業を成功に導く鍵となります。
まとめ:個人M&Aは新たなキャリアパスの選択肢
個人によるM&Aは、後継者不足という社会課題を解決しつつ、意欲ある個人が低リスクで経営者になることを可能にする、非常に魅力的な選択肢です。
しかし、その裏には「簿外債務」や「従業員の離反」といったリスクが潜んでいることも事実です。そして何より、成功のためには「買収価格だけでなく、数ヶ月分の運転資金を含めた十分な資金計画」と、「事業にフルコミットする時間的・精神的な覚悟」が不可欠です。
「会社を買うのはリスクが大きすぎるかも・・・」という人は、ラッコM&Aでオンライン事業M&A案件を探してみましょう!
オンライン事業なら、会社に勤めつつ副業で運営できるものが多数あります。